今日僕が見たこと

休日の天神
梅雨曇りの天気のせいか
家族連れやカップルの姿がやけに目につく
「あぁあなた方は孤独ではないのですね」
なんて思いが胸の中や脳の後ろあたりを漂いはじめて
そんなコトバがとっさに思いつく自分の不健康さにうんざりする


「どうでもいい・関係ない」
便利なコトバです。


そもそも何か目的があって外に出た訳じゃない
移動する事によって「何か目的をもって行動しているような気分」を味わいたいだけなんだ


こんな気分の時は書店に行くに限る
文物は私が孤独であることに文句を言わないし
むしろそれを歓迎し
時には握手やハグをしてくれる事だってある
僕はそういう優しさに逆らえない性格なのです


書店はいい


哲学書コーナー
人文科学の専門書コーナー
アート・芸術関連コーナー
ピアノ譜コーナー
コンピューター技術書コーナー
登山関連書籍コーナー


本に話しかけ
本に手を触れ
本に相談事をもちかけ
ひとつふたつのアドバイスをもらい
またこんど とお別れをし
そしてまた別の書架へ


ちょうど腎不全の患者が
人工透析で血液の老廃物を排除するように
ぼくの精神にいくつかのオアシスが現れ
無邪気さや勇敢さのようなものを取り戻せたりもする
それはいつもじゃない
そういうのは「タイミング」なんだ 全て


調子が乗ってきたぼくは
久しぶりに秘密のおまじないをする
呼吸をできる限りゆっくりにして
その回数を数える
ひとつ
ふたつ
みっつ
よっつ
そして自分のこころの中の管理人室の電気を点け
感受性のスイッチをひとつひとつ消して歩く
「もう今日は何も感じなくて良い」と
「もう今日は何も考えなくて良い」と


ロボットのようなココロになって仕事をこなそう