もう行かないと


深夜の高速道路をドライブしている時の
アスファルトに浮かぶヘッドライトの光輪のような
無表情な空閑が
そっと側に漂っているのを感じるだけで
その他には
ただ
夜がどこまでも
夜としてたちこめる夜


僕の前世はフクロウなんじゃないかな
なんて
思ってしまうほど
夜は僕に優しい


夜はいつも
「忘れてしまいなさい」
と言う


そして焚き火のような
ノロノロとした灯りを
そっと側に置いて暖めてくれる


だけども僕
もう行かないと


今のうちに
もう行かないと