貴族

音がどんどんと大きくなってくる
今1cm前にあったものが
0.05秒後に15cm左にある
左胸から全身の末端にかけて
同心円状にさざ波がひろがっていく


枯れ葉が今
君の好きな樹からはがれ落ちる瞬間をみた?
あのこは
自分自身から抜け出したいと思っている
精液をひっかけられて 笑っているのなんてまっぴらだって
そう思いながら
子供の頃についたこの傷を
だれかが治してくれるんじゃないかって
あっちにいったり
こっちにいったり


だけど君自身が言ったのを俺はきいたよ
この場所からは星だけが見えるから言うんだけど
私にはみんなが見えない美しいものが見えるから
私は精神の貴族なんだって