お盆


盆休みの天神を歩く
いつもと歩いている人々の服装が違うことに気づく
どこか僕の知らない土地からやってきた人たち
汗を拭いながら誰もが歩く
どこかに向かって
もしくは何処にも向かわずに


僕は自分に対してまた新たな発見をする
僕はこの街に適応して生きているのだと気づく
身なりや言葉遣い
遊び方や食べ物の好み
変える事ができるものは変えて
変える事ができないものはそのままに


ヨウスコウカワイルカ揚子江にしか棲む事ができないように


僕はさらに自分に問いかけてみる
変える事ができないものにしか
意味が無いとしても?
変える事ができるものは
変える事ができるのに?


僕が占い師のババア様だったなら
こういう感じで僕を諭すだろうな
「変える事ができないものは、隠しているものでしょう?」
「変える事ができないものは、目を逸らしたいものでしょう?」
「変える事ができないものは、自分では見つけることができません」
「変える事ができないものは、誰かに出会ってそれを受け取らないと、自分の目では見る事はできません」


きっとこのババア様が言いたいのは
「人はひとりでは生きられません」のような
そういうメッセージなのだろう
そしてそれが僕のコトバとして出てきたってのは
後は語らずもがなということか


歩くのに疲れたなら走るということも有るかもしれない
方法はどうだって良いのだろう
動き
人に出会う
それを繰り返すしかないのだろう


結局僕は
失われたものを
もう一度取り戻したいと
そう
思うとも
思わず
思っている
今日はお盆です