砂漠の砂屋 2

この街で最初にリーゼントをかけたのは俺さ
ナチュラル」なことを「ワイルド」にやってのけたんだ。
最初は誰もが奇抜な俺の髪型に目を奪われたもんだけど
俺が描いたコームのラインのナチュラルさに
誰も何も言えはしないさ。


そういうのは生まれつきなんだ
俺の顎のラインが美しいのと同じでね。


滑らかな曲線は他のどんな言葉や事象よりも
多くの事を語る。
まっすぐな線は誰にだって描けるさ。
定規をあてればいいんだもの。
おれの友達のセイクリッドは頭がイカレた
MSDNジャンキーだけども
彼の予言は本当に当たるんだぜ。
10回に6回はね!


そんなセイクリッドが言ってたぜ
この世界の深遠な事象は
やがて数学的ななにものかが
それを担保するようになるって。
それって分かり難いけど、要するに
俺がカクレンボが上手だったことに
ちゃんと点数をつけてくれて
それでペキンパー先生が通信簿にAをつけてくれる
ってな事なんだと思うんだけどね。
それで合ってるかどうかをセイクリッドに聞いたことはないんだけどね。


だってそんなの面倒くさいよ!


ハローハロー
エヴリワン!
俺のことをちゃんと紹介しなくちゃね。
俺はコンチって呼ばれてる。
本当の名前はもっとカッコ悪くてここでは教えたくないね。
俺の生まれた街は、何の産業もない、さーみーしーいー町で、
空気にもし人格があって
どこかで休憩したいと思ったときに
最も避けたいような
要するにフレッシュさから完璧に見放された街で、
みんながみんな
酸素を吸おうとして
必死に窒素を吸っているような町さ。


俺のおやじは最高なことに
こんな最低な町で
「要注意人物」な訳で
品行方正正しく育とうという
俺様のパーソナリティーだとかさ
自分の人生の後悔を俺に押し付けようとするお袋の
感情を逆撫ですることにおいては天下一品の天才な訳で。
まぁ要するに
俺には失うものが最初からなかった訳さ。
気楽なもんだよ。
あはは


続きはまた来週!
ズームイン!